或る強姦致傷被疑事件の弁護人コメントが話題になっています. この弁護人は,日本最大の法律事務所に就職し,今は刑事弁護で高名な先生の事務所に所属している弁護士ですから,とても優秀であることが分かります. しかも,迅速に示談をとりまとめ,不起訴を勝ち取ったのですから,刑事弁護としては満点です しかし,あのコメントは何だったのでしょうか. 強姦罪は,被害者の告訴がないと起訴できない犯罪ですが,強姦致傷罪は,そうではありません.強姦致傷罪では,示談が成立しても起訴することも一般論としてはあり得ることです.ここまでは,そのとおりです. しかし,不起訴になったのだから,悪質性が低いとか,犯罪の成立が疑わしいなどの事情がある,というのは論理の飛躍と思います. 示談とひきかえに,被害者の宥恕の上申書が提出されていたかもしれません.社会的に非難を浴びたこと,反省の念を述べていること,監督する母親がいること,
毎日新聞「提訴:名前酷似の薬誤投与 女性死亡で遺族が」(2014年12月27日)は,次のとおり報じました. 「高血圧剤を投与すべき女性患者(当時89歳)に名前が似た別の糖尿病薬を誤って投与した結果、女性が死亡したとして、遺族が恵寿(けいじゅ)総合病院(七尾市)を経営する社会医療法人財団「董仙(とうせん)会」を相手取り、慰謝料など約7300万円を求める訴訟を起こした。26日、金沢地裁で第1回口頭弁論があった。 訴状によると、女性は2010年1月、診療を受けていた同病...」 高齢者に糖尿病の薬を誤投与すると,昏睡状態となり死亡することもあり得るでしょうが,因果関係立証と損害額が争いになるでしょう. 89歳女性で,どんな計算を行えば7300万円の請求になるのでしょうか. 大日本住友製薬の高血圧薬「アルマール」(現在の「アロチノロール」)と間違えて,サノフィの糖尿病薬「アマリール」を投与した事案
◆ 或る疑問について 「旭川市の病院,医療過誤を認め示談(酸素を送るチューブを食道に入れた事案)」で,私は「酸素を体内に送るチューブを誤って食道に入れたことは,注意義務違反にあたります.」と書きました. これに対し,「挿入後の確認を普通行うべきところを怠ったというならそれは別ですが、誤挿入だけで注意義務違反だという人は、準委任契約の基本を理解していないのではないか、弁護士能力として如何なものかと疑います」というツイッターがあったようです. にほんブログ村 医師の義務について,●●する義務,●●しない義務,という表現をすることがありますが,それは医療契約が病気の治癒を約束するものではなく,通常の診療を行うことを約束するものであることと矛盾するものではありません. このツイッターの方は,おそらく,医師が通常の注意を払っていても誤挿入は避けられない,と考えるのでしょう. しかし,医師が胸の膨らみ
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