ポルトガル・リスボン郊外の小さな街の食堂で、トイレに行った時のことである。一番手前の入り口に「HOMENS」と書いたサインがあった。その横にはまつ毛が長いショートカットのきりりとした人のイラストが添えられている。ポルトガル語がわからない私は、「お店の人、HとWを間違えたのね (HOMENS→WOMEN’S)」、と勝手に解釈して中に入った。するとお店の人が慌ててやってきて、あなたはこっちですよ、と奥の方のドアを開けてくれた。そちらのドアには、SENHORASと書いてあった。なるほど、セニョリータっぽい語感。その脇にはフリル襟に巻き髪の女性のイラストがあった。 テーブルに戻って、ふと思った。私は男性用トイレのショートカットの人の絵を女性だと思ったのだ。 かれこれ9年近く住んでいるストックホルムでは、ボーイッシュな服装をした短髪の女性はよくいるし、長髪で中性的な雰囲気の男性もいる。警官や軍隊、警
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