郵便不正事件で押収されたフロッピーディスク(FD)を改竄(かいざん)したとして、証拠隠滅容疑で逮捕された大阪地検特捜部主任検事、前田恒彦容疑者(43)。最高検の調べには「過失だ」と主張し続けているが、「チェックのため」としながらも書き換え専用ソフトを用いたなどの“客観的事実”と主張との間には、矛盾点が浮かびつつある。証拠隠滅罪の成立には「故意」が必要だが、最高検は「故意は明らか」として全容解明を進めている。 [表で見る]FDのデータ改竄をめぐる経緯 ■「爆弾」の意図 「FDに時限爆弾を仕掛けた」。前田容疑者が漏らしたとされる「爆弾」の狙いは何だったのか。 最高検によると、前田容疑者は昨年7月13日、厚生労働省元係長の上村勉被告(41)=公判中=のFDに記録された偽の証明書の最終更新日時を「2004年6月1日午前1時20分6秒」から「2004年6月8日午後9時10分56秒」に書き換え