ひき逃げ事件の被害者に事情聴取したかのように偽装した報告書を書き、事件処理していたとして、警視庁交通捜査課は8日、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで戸塚署交通課巡査部長の男性(53)を書類送検した。警視庁は同日、巡査部長の男性を停職1カ月の懲戒処分とした。男性は同日、辞職した。 送検容疑は、3月中旬、事件を容疑者不詳のまま書類送検するため、必要な被害者への事情聴取を行っていないのに、「これ以上、捜査しなくて結構です」などと被害者が話したように偽装した報告書を書き、警視庁に提出したとしている。 ひき逃げ事件の被害者は軽傷。警視庁の内規では事件から半年以上経過し、被害者の同意があれば、容疑者不詳でも東京地検に送致できることになっていた。送検を受けた東京地検が、被害者に確認したところ虚偽の報告書が発覚した。警視庁によると、男性は調べに「まさか地検でチェックが行われると思わなかった」と話したという