東日本大震災や阪神大震災は本当に予測できない「想定外」だったのか―。6日、神戸市内で開かれたシンポジウムで、活断層調査や地震予測に取り組む研究者らが原発推進のために地震や活断層の研究成果がねじまげられた事実を明らかにし、そうしたことはあってはならないと訴えました。日本地理学会と日本学術会議が主催しました。 9月に発足した原子力規制委員会の委員の一人、島崎邦彦・元地震予知連絡会会長(地震学)が、「東日本大震災が『想定外』に至る分岐点」と題して講演しました。地震調査研究推進本部での長期予測が、原発の事情でねじ曲げられた経緯を告発。福島第1原発事故の前から東京電力が15・7メートルまで津波が遡上(そじょう)する可能性について試算を得ていたのに、「あくまで試算」「無理な仮定」といった理由で対策をとらなかった問題を批判しました。巨大津波の発生について「当時の科学からいっても不思議ではない」と述べまし