ここまで深刻「食のデフレ」:上野泰也(みずほ証券チーフマーケットエコノミスト)(1)(Voice) 筆者はこのコラムの第3回「地銀の危機と道州制」で、地方経済の苦境と強いデフレ圧力を示す事例として、鹿児島の290円弁当をご紹介した。ところがその後、こうした格安価格の弁当は、東京の都心を含む全国各地に出現するようになった。「食のデフレ」はいまや、全国区の現象になったといえるだろう。 インターネットで調べてみると、もっと安い250円の弁当が、東京・浅草や名古屋、京都で売られている。大手持ち帰り弁当チェーンは、「のり弁当」を290円で提供している。おにぎりの値下げキャンペーンをよく行なっているコンビニエンスストアでは、お弁当の価格帯も下がり気味である。 筆者がもっとも驚いたのは、大手スーパーの一角である西友が4月から「ハンバーグ弁当」などを298円で販売しはじめたことである。筆者も試しに買ってき