もちろん殺人事件そのものが発生することは1億超の人口を抱える国家である以上避けられない。様々な理由からどこかで「ライン」を踏み越えてしまう人間は常に一定数発生する。社会から犯罪を一掃することはできない。もちろんそれはわかり切っている。 筆者がやりきれないと感じるのは、虐待殺人が生じたあとに生じる子殺しママへの無数の擁護と共感だ。報道機関でさえ「ワンオペ育児か」というフレーズで犯人に共感を示している。「ワンオペ育児」「母親への支援不足」「育児の現実」…。一見やさしげな言葉に包まれたこれらのワードは、本質的に子殺しの擁護と連続殺人犯への紐帯を表すものに他ならない。 3姉妹の首を絞め殺害したワンオペ母親。SNSでもこれを見て明日は我が身と感じた親の声は少なくない。自分も子供好きだが、当直明けに泣き叫ぶ娘をどうにかしたいと、よからぬ事が頭をよぎった経験も。睡眠不足、疲弊状態では正しい思考が保てない