歌詞の翻訳に完璧なものはありません。 短い言葉で綴(つづ)られている歌詞には意味の分かりにくいものが多く、詩は別の国の言語に翻(ひるがえ)した時点で韻律や言葉の持つ響きは失われてしまうからです。 和歌を英語に翻訳したとして、他人の訳文を参考にしない限り十人十色の訳し方になるでしょう。 あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る (額田王) みさぶらひ み笠と申せ 宮城野の 木の下露は 雨にまされり (詠み人知らず) これらは万葉集や古今和歌集にある有名な句で、上は「むらさき のゆき しめのゆき」で韻を踏んでおり、下は仙台にある宮城野に合わせて「御侍」「御笠」の「御」を「み」と読むことで、「みさぶらい みかさともうせ みやぎのの」として韻を踏ませている訳です。 これらの句は韻律の美しさが魅力の歌なので、私の語学力ではとても翻訳など出来そうにありません。 韻律を無視して