2018年8月21日の甲子園(全国高校野球選手権大会)決勝で、大きな注目を集めた「控え選手」がいた。金足農(秋田)の背番号「16」、伝令をつとめた2年生の工藤来夢(らいむ)君だ。 5回ウラ。大阪桐蔭(北大阪)が8-1と点差を広げ、なおもチャンスが続く1死2塁の場面。金足農ベンチから伝令として勢いよく飛び出した工藤君は、エース・吉田輝星君らが待つマウンドへ向かうのだが...... まさかのオーバーラン なんと、笑顔で走り寄る工藤君はマウンドの輪を抜けて、そのままレフト方向へオーバーラン。直後、「おっとっと...」と言わんばかりのコミカルな動きをしながら、体を反転させてマウンドへと戻っていく。 相手に大量のリードを奪われ、なおもピンチが続く厳しい場面だったが、こうした工藤君の動作に金足農の選手たちは笑顔を浮かべる。さらには、アルプススタンドの観客からも、伝令の動きに大きな拍手が送られた。 この