貯蓄率急落の先にある悲劇/伊藤元重(NIRA理事長、東京大学教授) Voice7月24日(金) 12時35分配信 / 国内 - 政治 日本の家計部門の貯蓄率が急速に低くなっていることを知っているだろうか。OECDのエコノミック・アウトルックの付属統計表の数字で見ると、1990年代の初めには15%もあった日本の家計部門の貯蓄率は、2007年には3%前後まで下がっている。大変な下がりようである。米国の家計部門の貯蓄率が低いということがよく話題になるが、場合によっては日本の貯蓄率のほうが米国よりも低くなる可能性もありうる、と指摘するエコノミストもいる。 日本の貯蓄率は国際的に見ても高いほうであると考えている人が意外と多いようだが、家計部門で見るかぎり、日本の水準は世界的に見ても非常に低い水準となっている。こうした動きは将来の日本経済の姿を考えるうえでも非常に重要なポイントとなるのだ。 そもそ