裁判員裁判の判決で示される「刑の重さをどう判断したか」の理由が、これまでの刑事裁判とは違ってきていることが日本弁護士連合会の分析でわかった。いつも使われてきた表現は減り、これまで検察側や弁護側の常識だった主張が判決に必ずしも反映されなくなった。日弁連は裁判員が重視する事柄の「傾向」を読み取り、弁護側の主張に生かす「対策」に乗り出すとともに、裁判所がすべての判決をホームページで公開するよう求めている。 これまでに全国の弁護士を通じて130件以上の判決文を集め、分析した。岡慎一・裁判員本部事務局次長は「法律家の間で共有されてきた認識が、前提にできなくなってきている」と話す。 例えば、裁判官による裁判で、弁護側が「被告は若くて前科がない」と主張した場合、判決では刑を軽くする理由に挙げられてきた。ところが、裁判員裁判では同様には受け取られないケースがある。また、検察側の「被害者の処罰感情の強さ