やおい論争は、BL/やおい文化史上、最も象徴的な「現実のゲイ当事者 vs. 女性作者・読者」の対立として語り継がれる出来事です。1990年代前半のフェミニスト系ミニコミ誌『CHOISIR(ショワジール)』を舞台に繰り広げられ、「フィクションの自由」と「他者表象の倫理」をめぐる激しい議論となりました。 1. 背景と発端(1992年) • やおいの隆盛:1970年代の「花の24年組」(萩尾望都『トーマの心臓』、竹宮惠子『風と木の詩』など少年愛もの)→1980年代の同人誌ブームで「やおい」(やまなし・おちなし・いみなし=起承転結なしの二次創作)が爆発的に広がる。 • 1992年:ゲイ当事者の佐藤正樹氏が『CHOISIR』に投稿した連載「ヤオイなんて死んでしまえばいい」が火付け役。 ◦ 核心主張:BL/やおいは現実のゲイ男性の経験を不正確にステレオタイプ化・美化・商品化し、性的ファンタジー材料にし

