藤本「僕は読者を信じています」 ――第3話で、藤本先生が、第1課題の勝者へアドバイスをされますよね。具体的に言えば、第2課題の「ネーム作り」に行き詰まっていた新人の漫画家さんに、藤本先生は「キャラよりも展開重視で考えてみては?」と助言し、言われたほうも何か閃くという。一般論としては、「少年漫画はキャラありき」みたいな考え方もあるかと思いますが、これは以前から考えられていたことですか。 藤本:いえ、もちろん展開も重要だとは思いますが、それは別にキャラを軽視してもいいということではありません。あの新人さんの作品を読んだ時、この人はすでにキャラクターは十分描けていると思ったので、だったら展開や見せ方を工夫したらもっとおもしろくなるよ、とアドバイスしたんです。逆の資質を持っている人だったら、おそらく逆のことを言っていたと思います。いま林さんが言ったみたいに、漫画作りにこれというノウハウはありません
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