取引コストは、誰にでも存在するコストだった。構造的には対称形をしている。と言うことは、次からは当然非対称な状態についての話になる。 エージェンシー理論では、取引をする2者は非対称になる。一方をプリンシパル(依頼人)、もう一方をエージェンシー(代理人)と呼ぶ。エージェンシー理論においては、プリンシパルは何かをしたいのだが、自分ではできない。そこでエージェンシーを立てて自分の財産の一部操作する権利をエージェンシーに渡す。エージェンシーはその権利を利用してプリンシパルの目的を達成し、同時に自分でも利益を得る。これが理想的な状態。プリンシパルは限定合理的なので、エージェンシーについて完璧な情報を得ることはできない。さらに、エージェンシーを常に監視し続けるととても高いコストを払うことになる。もちろん、プリンシパルとエージェンシーの利害が完璧に合致することはありえない。プリンシパルを裏切るとエージェン