経済 生産性の上昇が雇用を押し潰す 池田先生の記事「デフレの原因はITだ-『機械との競争』」は、少し問題を単純化し過ぎているように感じたので、少しだけ補足したい。 ここで主張したいのは、生産性の上昇は不可避だが、それは、必然的に雇用を押し潰す、ということである。 賃金の下落はなぜ起こるのか まず、賃金の下落について、池田先生は、過剰雇用を抱え込むために、みんなで賃金を下げて辛抱した結果だというが、実際には、製造業からサービス業への雇用の移動が、かなり大規模に起きている。 このことを取り上げた論説として野口悠紀雄先生の:「日本経済の活性化に高生産性サービス業が不可欠」を取り上げよう。この論説の要旨をまとめると以下のようになる: (1) 日本では製造業の雇用が減り、サービス業に雇用が移りつつある。 (2) しかし、製造業から溢れ出た雇用の受け皿となっている、介護などのサービス業の賃