児童養護施設を退所した人などのうち、生きていくために人身取引の温床といわれる性産業を選ばざるをえない状況に追い込まれている人も多いのをご存じだろうか? この問題についての講演会が8月25日、都内の恵比寿にある英治出版オフィス内であった。講師はアフターケア相談所「ゆずりは」所長の高橋亜美氏。主催は特定非営利活動法人ポラリスプロジェクトジャパン。“社会の闇”の実態を知るため現地を向かった。会場は35人が参加。そのうち女性が27人、実に77%を占めていた。 講師の高橋氏は、社会福祉法人「子供の家」の職員。同法人は、今から25年近く前の1988年、東京都清瀬市内に自立援助ホーム「あすなろ荘」を開設している。高橋氏はこう説明する。 「児童養護施設は東京なら18歳までは保護の対象になるが、公費で運営しているので中卒や高校中退の場合、施設を出て就労することを余儀なくされます。しかし、家族を頼れず、中卒、