英国会議事堂の外で角突き合わせるブレグジットの反対派と支持派(2019年1月15日) Henry Nicholls -REUTERS <離脱派のもともとの狙いは、EUを離れてより条件のよい貿易協定を世界各国と結ぶことだった。しかし孤立し人口も6500万人しかいないイギリスは、今やどの国にとっても優先度の低い相手になってしまった> テリーザ・メイ英首相の失敗は確実になった。1月15日、メイがまとめたブレグジット(EU離脱)協定は英下院議会で432対202の大差で否決された。彼女は険しい顔で、宿敵ジェレミー・コービン労働党党首に対して首を横に振った。だがメイは心のどこかで、コービンが彼女に浴びせた悪口雑言はどれも正しいとわかっていたにちがいない。 230票という大差での否決は政府にとって「破滅的な」敗北であり、イギリス現代政治史において1920年代以来の最悪の結果だ。そして3年近く前に開始した