人はなぜ被害者を責めるのでしょうか。中でも性暴力被害者に対するバッシングは激しく、二次被害にもつながっています。 こうした「非難」には、私たちの人間の心理が気づかないうちに働いているとも考えられます。たとえば、「世の中は公正にできている」という信念の強い人は、そうした信念から「被害に遭うということは、その人がそれにふさわしい何かをしたからだ」と被害者に責任を帰するといった心理学理論もあります。 性犯罪被害者に対する非難について研究している、駿河台大心理学部の小俣謙二教授(犯罪心理学)に話を聞きました。(編集部・出口絢) ●なぜバッシングは起こる? ーー性暴力に関する報道のたびに、被害者が非難されます。こうした非難は、なぜ起こるのでしょうか。 被害者への責任帰属がなぜ起こるのか。その理由については、社会心理学でも複数の解釈がありますが、一つの考え方として「公正世界信念」があります。 わかりや
クレプトマニア(窃盗症)という言葉を知っていますか。万引きをやめたくてもやめられずに繰り返してしまうという精神疾患の一つです。 マラソンの元世界選手権代表選手の原裕美子さんも、このクレプトマニアの疑いが指摘されています。原さんは2017年11月、栃木県のコンビニで化粧品などを万引きしたとして、有罪判決を受けました。しかし、執行猶予中の今年2月、群馬県のスーパーでキャンディーなどを盗んだとして窃盗容疑で逮捕、起訴されました。(現在公判中) どうして万引きを繰り返してしまうのでしょうか。9月12日に「万引き依存症」(イースト・プレス)を出版した精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏(大森榎本クリニック)は「現代人が抱える様々なストレスが関係している」と現代病であることを指摘します。斉藤氏に話を聞きました。(編集部・出口絢) ●クリニック通院、7割が女性 ーーテレビで万引きGメンに密着した番組を
2013年9月に「いじめ防止対策推進法」が施行され、重大ないじめ事件が起これば第三者による調査委員会を設置して調査にあたることが義務づけられました。しかし、最近はその第三者委員会の調査や調査報告書の記載をめぐって、遺族が不信感を抱いたり、再調査で結果が逆転したりする例が全国で相次いでいます。 学校問題など子どもの権利に関する事件を扱う高島惇弁護士は「調査委員会の現在の立ち位置はあまりにも不安定。求められる役割は大きいのに対して、強力な調査権限もなく、酷な部分がある」と指摘します。どういうことでしょうか。 ●調査不十分の報告書で終わらせないために ーー全国で第三者委員会の調査や調査報告書をめぐり、遺族とすれ違いが起きています。調査がきちんと行われているのか、疑問に感じます 確かに、報道されているように、「事なかれ主義」で終わろうとするような学校や教育委員会もあります。ただ、学校側は「きちんと
「#MeToo」を合言葉に、世界各地でセクハラに対する問題意識が高まっている。同時にこの運動は、被害者がバッシングされがちなことを改めて浮き彫りにした。背景事情を踏まえずに、「そんな時間帯にノコノコ出かけていくのが悪い」「二人きりになったのだから、同意があったはず」などと、まず被害者の落ち度を指摘する人も少なくない。 法律の世界でもこの傾向はある。「残念ながら、勇気を持って提訴した被害者に対し、追い打ちをかけるように、傷つける言動をする裁判官も少なくありませんでした」と語るのは、セクハラ問題に詳しい圷(あくつ)由美子弁護士。 出張先のホテルで押し倒され身体を触られるなどの被害にあった女性に「最後までいってなかったんだから(いいじゃないか)」などと心無い言葉を浴びせる裁判官もいたという。 しかし、ここ数年、セクハラに関する裁判所の意識は、着実に変わり始めているという。セクハラ加害者が主張する
担当する事件の9割がいじめや学校事故、退学、体罰など学校に関するものだという高橋知典弁護士。自身も小中学校時代にいじめられた経験があり、「何か子どものためにできることがしたい」という思いで弁護士を目指すようになりました。 どうしたらいじめは解決するのでしょうか。そう問いかけると、ポイントは「大人が本気の姿勢を見せるかどうか」だと話します。そして「証拠がなくても決して諦める必要はない。必ずやりようがあります」とも。 子どもがいじめにあっていると気づいたら、親はどのように対応するのがベストなのでしょうか。 ●逃げ道がたくさんあったから、自分を嫌いにならないで済んだ ーー自身も小中学校時代にいじめられた経験があると聞きました 小学4年から中学1年の前期くらいまで、いじめられていました。うちの家はあまりお金がなかったんです。それで、同じような服を着たり、親戚からもらったお下がりを着たりしていました
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