息の長い景気回復が続く一方で、格差問題が深刻になっている現状は、どのように理解したら良いのか。また、こうした状況で、財政再建の問題はどうなっていくのだろうか。 2005年9月6日の本欄で、景気循環会計(Business Cycle Accounting)という手法を使って、90年代から2000年代初頭の日本経済の変動を簡単に分析した結果を報告した。だが、2002年以降の景気回復期の分析は、データ不足もあって、当時は詳しく書けなかった。その後、データも増え、分析手法も少し改善したので、このコラムでは再び景気循環会計の手法を使って、冒頭に掲げたような問題を考えていきたい。なお、このコラムの分析はRIETI Discussion Paper 07-E-061“Business cycle accounting for the Japanese economy using the Paramete