サッカーと野球の「監督」は別物 【金子達仁】2008年05月01日 かつてフランス23歳以下代表を率い、現在はJFLのFC琉球で指揮を執るジャン・ポール・ラビエ「監督」は不思議そうだった。 「いざピッチに立てば、主役はあくまでも選手。監督にできるのは助言でしかないのだが、日本の選手たちは、それを命令と受け取っているフシがあるんだ」 フシがある、ではなかった。FC琉球の選手たちは、彼の「助言」を間違いなく「命令」として受け取っていた。わたし自身「上がろうとしたら怒られた」「下がれと言われたので下がった」といった選手たちの言葉を、数多く耳にしてきたからである。 これを儒教精神に縛られた日本人の特性として片づけるのはたやすい。だが、個人的にはどうもそれだけではない気もしている。 たとえば王監督が、星野監督が送りバントのサインを出したとする。これは「助言」だろうか。否、限りなく「命令」に近い指令