全国の農協改革の「モデル」とみられてきたJA秋田おばこ(本店・秋田県大仙市)の失敗が波紋を呼んでいる。国による米の生産調整(減反)が昨年で終わり、農協の経営能力がより重要になる中、力を入れてきた卸会社などへの直接販売で約56億円の累積赤字を抱えた。販売拡大を優先し、適正な会計処理が後回しにされていた。 「組合員は疑心暗鬼になっており、農協離れが進む危機感もある。第三者委の客観的な検証で説明責任を果たしたい」 米の取扱量が日本有数で、県内最大の組合員約3万人を抱える秋田おばこ。原喜孝組合長は20日、理事会後の記者会見でこう語った。おばこは20日、全容解明のため、弁護士と公認会計士計4人からなる第三者委員会を設置。今後、ずさんな販売管理の原因を調べ、役員の責任を追及する方針だ。 おばこが事態を公表したのは1月末だった。会見した原組合長は「米価の推移をしっかり確認せず、奨励金などを大盤振る舞いし