安倍晋三首相が決定した来年四月の消費税率8%への引き上げで、派遣社員がさらに増える恐れがある。企業は派遣社員を多く受け入れるほど、納める消費税の額が少なくできる仕組みになっているからだ。消費税率が3%から5%に引き上げられた後も派遣社員が増えた。消費税増税は国民の暮らしを苦しめるだけでなく、労働環境の悪化を招く可能性がある。 (関口克己、上野実輝彦) 企業が納める消費税は原則として、売り上げにかかった消費税から、仕入れの時などに支払った消費税を差し引いた分を納税する。同じ取引への二重課税を防ぐためで、支払い分の対象に派遣社員を受け入れた際の派遣料も含まれる。