日本映画監督協会著作権委員会 梶間俊一 今回の監督協会70周年記念映画「映画監督って何だ!」(脚本、監督伊藤俊也)は、何よりも、映画監督に著作権がないことを広く知らしめたと云う一点において、大変意義深いものがあります。「七人の侍」や「東京物語」の著作権が、黒澤明監督や小津安二郎監督ではなく、映画の製作会社にあると知って驚かれた方が沢山いると思われます。 記念映画の中でも、作家の村上龍氏(監督協会員)が、インタビューに応えて率直にその驚きを語っています。それは何故か。我々の映画の著作権に関する情宣活動が不足していたことも要因のひとつです。 だが、しかし、それ以前に、多くの人々(村上氏も含め)が、作家や音楽家と同様に、当然、映画監督にも著作権があるものだと思っていたのです。 ■ 映画監督に何故著作権がないのか 現実には、映画監督は映画の著作者ですが、著作権者ではありません。著作者人格権