これからの童貞の話をしよう、いや、これからの童貞マインドの話をしよう。童貞マインドは必ずしも男子だけが向き合うべき問題じゃない。男女問わず、誰もが当事者になり得る話なのだ。 先日、「童貞はマインドだ」という名言を残した年下の友人男子と某所で再会した。彼は会うなり私をまじまじと見て、「あっ、髪の毛切りました? 可愛い〜」と、小慣れた様子でほめる。「えーありがとう。でもあんまり満足できてないんだよね〜」と言うと、若者は10秒ほど私を無言でまっすぐに見つめて、こんな風に続ける。「んー……明子さんは、毛先をふわっとさせるともっと可愛い」 仲間内では「プロ」と呼ばれるほどたくさんのモテテクニックを持つ若者。新しい髪型をほめるだけにはとどまらず、じっと見つめて、からの助言という合わせ技をさらりと繰り出す。遊び慣れた男のオーソドックスなやり方だろうが、挨拶代わりにやられたって、やっぱりいやな気はしない。