内藤礼が語る、アートにおける無意識の重要性。「生きていることそのものであるように」「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに、根源的な生の光景を出現させてきたアーティスト・内藤礼。その内藤が、京都のギャラリー「MtK Contemporary Art」で個展「breath」を開催。紙とアクリル絵具による絵画《color beginning》の新作を発表した。これまでもキャンバス絵画の同名シリーズを手がけてきた内藤。紙に絵具を置くというシンプルな行為に込められたものは何か? 金沢21世紀美術館での個展「うつしあう創造」をキュレーションした横山由季子(金沢21世紀美術館学芸員)が話を聞いた。 聞き手=横山由季子 色彩が顕れることをまるで初めてのように感じ、驚き、喜ぶ──今回の個展を拝見して、一番驚いたのが色彩でした。内藤さんがこれまで手がけられたキャンバスの《color be