マルウエアのような刑事罰の対象になる「不正」なプログラムとそうでないもののはどこで線引きすべきか。エンジニアが技術的な挑戦で萎縮しないためにも重要な判断材料となる判決が最高裁判決で示された。 最高裁判所第1小法廷(山口厚裁判長)は2022年1月20日、Webサイトに暗号資産の採掘用プログラムを置いた行為を検挙した「Coinhive事件」の上告審で、Webデザイナーの諸井聖也氏を有罪とした高裁判決を棄却して無罪判決を下した。マルウエアなどの検挙に使われる「不正指令電磁的記録に関する罪(いわゆるウイルス罪、刑法第168条の2)」での有罪・無罪の判断を示した、初めての最高裁判例である。 今回の判例だけで、刑事罰の対象になる「不正」なプログラムの範囲がはっきりと線引きできたわけではない。しかし法律の専門家からは新たな判断指標を示したなど判例への評価が出ている。プログラミングやインターネット事業に関
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