暴力、次の種まき インタビュー 第二回『沖縄に堆積する「自己責任」』はこちら 〈翼の中学校時代の担任教諭は、常に翼のことを気に掛けて話を聞いた。家に大人がいないことを知っていた養護教諭は、保健室で朝ご飯を食べさせてから教室に行くよう面倒を見てくれた〉 著者の上間陽子さん。「暴力は間違いなく、ある種の子たちには効きますが、次の暴力の種まきをしてしまっています。殴る男、殴る女になっていて、殴ることは愛だと勘違いするようになってしまっている。 だから暴力を禁じ手にしないといけないと思います」 -学校で熱心に面倒を見る先生たちに出会う少女もいました。でも「お前たちのことは見捨てない」と言いながら、その一方で先生たちは生徒たちを殴っていましたね。 ヤンキーの子たち、暴力に小さい頃からさらされている子って、たしかに暴力が効くんですよ。あるいは暴力しか効かない。 「すごく大事にしているよ」というメッセー
琉球大学教授の上間陽子さん。「貧困は、子どもを早く大人にします。いつまでも子どもであれば生活が成り立たないからです。でも、子どもは、勝手に産み落とされる。そして、生きていかなくてはなりません」 -「子どもの失敗を肩代わりしてあげないと、将来責任を取れる大人にはならないと思う」と繰り返しおっしゃいます。でも、その議論が相当やりづらいともおっしゃっています。 貧困は自己責任とともに、子どもに早く成長することを求めるようになります。戦後、崩壊させられた沖縄の生活の中で、人は早く成長し、起こった事柄を自己責任と引き受けてきたのだと思います。地層のように、それは沖縄に堆積する歴史であるのだと思います。 沖縄の貧困問題は、全国の2倍という数字だけでもはっきり分かるものになりましたが、あまりにも多くの人が貧困に陥っている時には、その生活が日常になります。 貧困は、子どもを早く大人にします。いつまでも子ど
琉球大学教授・上間陽子さんは、沖縄の夜の街を歩き、早くに風俗業界に押し出された未成年の少女たちの話を聞いてきました。初の単著「裸足で逃げる」(太田出版)は、家族や恋人、見知らぬ男たちの暴力から生き延びるために逃げ出し、自分の居場所をつくってきた女性6人の生活を記録しています。彼女たちのそばに立って見えたという沖縄の貧困と暴力の社会、支援するとはどういうことなのか、上間さんに聞きました。 貧困は暴力 〈優歌、翼、鈴乃、亜矢、京香、春菜。本に登場するのは、6人の女性。家族からの虐待、恋人からのDV、見知らぬ男たちからの性暴力から生き延びるため、その場所から逃げ出した。多くが10代で子どもを産み、パートナーと別れた後、1人で子どもを育てるために風俗で働いていた〉 ―本を通して、少女たちの生い立ちをたどると、暴力と貧困の日常が見えてきました。先生自身、4年間沖縄の夜の街を歩いて、少女たちの話を聞い
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