【ワシントン=黒見周平】トランプ米政権は26日、英国に亡命中だったロシア軍の情報機関の元大佐と娘が神経剤で襲われ、意識不明となった事件への対抗措置として、駐米ロシア外交官60人の国外追放を発表した。 米軍の潜水艦基地などに近接している米ワシントン州シアトルのロシア領事館も閉鎖するように要求した。カナダ政府も同日、ロシア外交官4人の追放を発表した。 オバマ前米政権は2016年12月、16年大統領選へのサイバー攻撃の報復でロシアの外交官35人を退去処分としたが、今回の制裁は過去最大規模とみられる。 英国政府は14日、ロシア外交官23人の追放を発表した。米ホワイトハウスのサンダース報道官は26日、「米国はロシアによる英国での化学兵器使用に対し、NATO(北大西洋条約機構)同盟国と共にこの措置をとる」との声明を発表した。ロシアが報復に出るのは必至で、米欧との対立が深まりそうだ。 追放されるロシア外