この夏、お盆で故郷に帰った方も多いだろう。現代では、生まれ育った場所とは別の土地で暮らす人が多い。しかし、先祖からのお墓は生まれ育った土地にある。そして、日本全国で高齢化が進んでいる。いま、故郷で暮らす親や親族が亡くなったあと、「先祖代々の墓をどうするのか?」という問題に直面するケースが増えている。 だがしかし、そのお墓は本当に先祖代々からなのか? いやそれどころか、われわれはいったいいつからお墓参りをしているのか? 実は現在、われわれが行っている「骨壺が埋まる石のお墓にお参りする」という伝統は、せいぜいさかのぼって100年そこそこ。「先祖代々の墓」といっても、その「代々」はそんなに古くないのだ。だいたい、庶民が「○○家」という名字を名乗るのは明治以降だし。 フェイクニュースで広まった「お布施」や「戒名」 インド生まれの仏教が中国、朝鮮半島を経由して日本に伝わってきたのは、6世紀中頃だ。