以前の仕事でスウェーデンに行ったのは西暦2000年。そのときに生まれて初めて「クラブ」なる場所を体験した。 日本にもあるでしょ、そういう名称の施設が。銀座や六本木なんて場所にたくさん。近年は類としてさらに進化を遂げて“キャバクラ”なんてものも増殖しているわけだが、このとき連れて行かれたのはその種の飲食業・風俗業の類ではない本物のクラブである。連れて行ってくれたのは、この旅のコーディネーションでお世話になった彼の地の大学の先生、エリック。連れて行かれた場所は高速列車でストックホルムから半日の距離にある自動車産業で有名な街。クラシック音楽ファンには、優秀な交響楽団の本拠地としても名が知れている。 この日は朝から仕事だったが、夕刻前には完全に身が自由になる予定だったので、こういうケースが訪れるたびに毎度そうしたように、かの有名なオーケストラが聴けないかとあらかじめエリックに尋ねてみた。しかし、あ