新海のこれまでのフィルモグラフィーを振り返ってみると、ざっくりとその作品群はSF・ファンタジー的な要素のあるもの(『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』『星を追う子ども』など)とないもの(『彼女と彼女の猫』『秒速5センチメートル』など)に二分される。本作はその「ないもの」の最新作であり、同時に、その路線での現時点での最高傑作と言っていいだろう。 フィクションに触れることの醍醐味にはさまざまなものがあるが、そのひとつに、作品を通じて他者の眼を疑似体験することで、自分自身の感覚が変容する経験ができることが挙げられる。ひとりの優れたクリエイターの強烈な主観によって描き出された世界に触れることで、何げなく接してきた風景が、それまでとはまったく違った形で眼前に立ち上がってくる経験をしたことがある人は少なくないはずだ。本作は、そうした意味でのフィクションとしての魅力を、強く宿している。 緻密に設計さ
■はじめに 1970年に制定された規制物質法(Controlled Substances Act、以下ではCSAと略す)は、アメリカの薬物規制に関する最も重要な法律である。現在、連邦法上、マリファナ(大麻)の栽培、所持、流通、消費は、このCSAによって厳格に禁止されている。 CSAは、規制するすべての薬物について5つのカテゴリーを設定し、それに応じて法律に従わない使用を罰している。マリファナはヘロインやLSDなどとともに、もっとも厳しい〈スケジュールⅠ〉で管理されているため、CSAはマリファナを規制するというよりも、実質的には禁止しているに等しい。 しかし、州レベルに照準を合わせると、現在約3分の2以上の州が、医療目的か、あるいはさらに進んだ娯楽目的でのマリファナ使用を認めており、マリファナ規制について連邦と州のねじれた関係が続いている。連邦政府も州のそのような動向には理解を示してきたとは
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く