前編では「詩人」という職業やフリーで働くという形態の魅力について伺った。続く後編では、私生活でのお金の使い方などを中心に「文月悠光」という詩人としてのスタイルがいかにして出来上がったのか、その道のりをお話しいただいた。 先ほど、学生時代の原稿料はすべて貯金していたという話がありましたが、あまりお金を無駄遣いする方ではないのでしょうか。エッセイ集などを読んでいても、趣味などにお金をつぎ込むようなタイプじゃないのかなという印象があって。 文月悠光(以下、文月):学生時代は将来が定まっていなかったということもあり、いつか目的ができたら使うかなと思いながら、貯金にまわしていました。ただ、わりとまとまったお金を使うことも多くて。 講座のような、人が勉強したり、語り合ったりする場に身を置くことが好きだったので、豊崎由美さんの書評講座や、佐々木敦さんの批評家養成講座などに一時期通っていました。ただ、それ
中原中也賞を最年少で受賞し、JK(女子高生)詩人として一躍注目された文月悠光さんは、大学卒業と同時にフリーの詩人として活動することを選ぶ。詩集の発行を始め、詩の朗読やアイドルへの歌詞提供、新刊『臆病な詩人、街に出る。』(立東舎)などのエッセイや書評の執筆など、幅広く活躍をする彼女に、「詩人」という職業や、就職しないという道を選んだ経緯について伺った。 就職や進学をすることで、詩の仕事をセーブしてしまうのはもったない文月さんはどこかに就職するという選択はせず、大学卒業と同時にフリーとして詩人になったんですよね。 文月悠光(以下、文月):正直、そんな博打のような選択をするつもりはなかったんですけどね。当初は親の勧めもあって、教員免許をとろうと思って教育学部に入りましたし。でも、実際に入ってみたら教職の授業をとりながらこの仕事をするのは難しいな、とか、そもそも先生に向いてないな、と気づいてしまっ
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