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ブックマーク / huyukiitoichi.hatenadiary.jp (5)

  • 男だけを殺す感染症によって男性人口が激減した時、社会はどのような変化を遂げるのか?──『男たちを知らない女』 - 基本読書

    男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリスティーナ スウィーニー=ビアード早川書房Amazonこの『男たちを知らない女』は、クリスティーナ・スウィーニー=ビアードのデビュー作にして、もし世界に男だけを殺す感染症が広まって、社会の構成要員がほぼ女性だけになったら、その時何が起こるのかを描き出す感染症&ジェンダーSFである。 「男だけを殺す感染症」は、成人向けコミックスでよく見かける他、日SF大賞を受賞したよしながふみの『大奥』の存在もあって、邦ではそう珍しい存在ではない。そんな先行作(?)に対して、作(『男たちを知らない女』)の特徴といえるのは、舞台を2020年代の近未来に設定し、社会が徐々に崩壊していく過程や、ワクチンの開発に奔走する人々の姿をリアルに描き出している点と、人類学者、医者、政治家など様々な立場の人物の視点から、変化していく社会を描き出しているところにある。

    男だけを殺す感染症によって男性人口が激減した時、社会はどのような変化を遂げるのか?──『男たちを知らない女』 - 基本読書
  • 十二人を殺害し五〇人を暴行、百件以上の強盗を行った最悪の殺人鬼──『黄金州の殺人鬼──凶悪犯を追いつめた執念の捜査録』 - 基本読書

    黄金州の殺人鬼――凶悪犯を追いつめた執念の捜査録 (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズIII-9) 作者: ミシェル・マクナマラ,村井理子出版社/メーカー: 亜紀書房発売日: 2019/09/28メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るこの『黄金州の殺人鬼』は、いわゆる連続殺人鬼を追った事件物のノンフィクションなのだけれども、まず他の事件と比較して凄いのはこの殺人鬼が犯した罪の量だ。 1970年代から1980年代にかけて、少なくとも12人を殺害、50人を暴行(レイプ)とその件数だけでみても異常だが、一週間に一人などのハイペースで襲って、犯人の見た目、目撃情報なども出揃ってきているにも関わらず足取りを掴ませない用意周到さがあった。どれほど容疑者を絞り込んでDNA鑑定をしても犯人を特定できず、書の原書刊行は2017年のことなのだが、その時はまだ犯人は捕まっていなかった

    十二人を殺害し五〇人を暴行、百件以上の強盗を行った最悪の殺人鬼──『黄金州の殺人鬼──凶悪犯を追いつめた執念の捜査録』 - 基本読書
  • 頭がおかしくなるほどおもしろかった──《アイアマンガー》三部作 - 基本読書

    堆塵館 (アイアマンガー三部作1) (アイアマンガー三部作 1) 作者: エドワード・ケアリー,古屋美登里出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/09/30メディア: 単行この商品を含むブログ (17件) を見るエドワード・ケアリー《アイアマンガー》三部作が先日発売の『肺都』によって完結したが、これが当に凄い物語だった。奇しくも『肺都』が昨年最後に読了したとなったけれども、そんなことは無関係に問答無用で『肺都』が17年のベストだ。それどころか《アイアマンガー三部作》は、人生においてこれ程の熱量の物語にあと何度出会えるのだろうか……と考え込まずにはいられない、破壊的な小説作品なのだ。 人間を突き動かさずにはいられない特異なリズムがこの物語全体を貫いている。劇作家でもある著者による台詞、会話劇は一つ一つの発言が声の大きさ、息の吐く音まで聞こえてきそうな(凄まじい翻訳の力もあるの

    頭がおかしくなるほどおもしろかった──《アイアマンガー》三部作 - 基本読書
  • 人の意識を機械に移植できるのか──『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』 - 基本読書

    脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者: 渡辺正峰出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/11/18メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る人の意識は機械に移植できるのだろうか。 SFなどではおなじみのテーマだけれども、現実的にはまだまだぜんぜん無理だ。でも、その可能性を検討することはできる。果たしてどうやって意識を移植するのか? そもそも移植すべき意識は脳のどこに、どんな過程で宿るものなのか? 仮に意識の領域、発生プロセスが確定したとして、それを移植したとして、どうやったら「機械への意識の移植が成功した」と確認をとることができるのだろうか? 書『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』はそんな脳の意識をめぐる脳神経科学の歴史と成果、それとちょっとばかりの飛躍として、機械の意識について語られた一冊である。これがまあ、基礎的な脳神経科学

    人の意識を機械に移植できるのか──『脳の意識 機械の意識 - 脳神経科学の挑戦』 - 基本読書
  • 彼女はまちがいなく、世界一の美女だった──『ブロントメク!』 - 基本読書

    ブロントメク! (河出文庫) 作者: マイクルコーニイ,Michael Coney,大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/03/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る著者のマイクル・コーニイは『ハローサマー、グッドバイ』が有名で、この『ブロントメク!』はそれと並ぶ最高傑作と評価されている長篇だ。 『ハローサマー、グッドバイ』は傑作だっただけに書へも期待がかかっていたわけだが、たしかに並ぶぐらいにはおもしろい。銀河中に人類が広がっており、特定の周期で特別なことが起こる惑星、特異な能力を持ったエイリアン、理想を体現した現実とは思えない美女の存在とこの世界のさまざまな要素が提示されていくが、それらがどう結末に絡んでくるのか最初はまったくわからない。それでも読み進めていくうちに、見事に要素が組み合わさって驚きと切なさを残して終わる、美しい作品だ。 ひとこと

    彼女はまちがいなく、世界一の美女だった──『ブロントメク!』 - 基本読書
    Seitekisyoujyo
    Seitekisyoujyo 2016/03/10
    面白そうなのでメモ
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