東大は16年に39位まで落ち、京都大学にも抜かれていたが、17年以降は順位を上げ続けている。アジアではシンガポールや中国の大学の競争力向上が目立ち、日本の大学の地位低下を指摘する声も多い。「意外」にも思える東大の健闘の背景には、学術研究という大学の足腰ともいえる領域の強さがあった。 東大は「学術への評判」のスコアで100点満点を獲得した。満点は世界でもMITやスタンフォード大など8校にとどまる。アジアの大学では唯一だ。15年に東大が掲げた「東京大学ビジョン2020」ではビジョンの1番目に「新たな価値創造に挑む学術の戦略的展開」を挙げ、研究拠点の拡充や教員が研究に専念できる時間の確保、研究者雇用制度の改革で国内外からの多様な人材の獲得に取り組むとしてきた。 実際に研究拠点の拡充では17年に医学や生物学のほか理論物理学、言語学など様々な分野の国内外の研究者が参加する脳科学の国際的な研究拠点「ニ