【パリ=三井美奈】北京冬季五輪開幕の直前に、欧州連合(EU)本部のあるベルギーと中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区を結ぶ貨物便の新路線が、開通したことが11日までに分かった。積み荷には、EUの制裁対象となっている企業の製品が含まれているとの疑惑が浮上し、批判が出ている。 路線開設は、ベルギー紙レコーなどが報じた。同国東部リエージュと同自治区カシュガルを結び、1月半ばに開通。ベルギー側に、これまでに3便が到着したという。貨物は衣料品など計75トンで、出荷元は、共産党の傘下組織「新疆生産建設兵団(XPCC)」の関連企業とみられている。EUは、XPCCが綿花生産でウイグル族を強制労働させているとして昨年春、組織幹部に制裁を科した。 報道を受け、左派の環境党などは「わが国が『奴隷労働』による商品取引の拠点になってよいのか」と声明で批判。これに対し、ベルギー経済省高官は「輸入品の差し止めは困難」