声優をしながらアルバイトを掛け持ちするトモヤスさん。睡眠時間を確保するために働く時間を減らしたいが、時給も上がらない、残業代も有給も取りづらいという中では、それもままならないという(筆者撮影) 現代の日本は、非正規雇用の拡大により、所得格差が急速に広がっている。そこにあるのは、いったん貧困のワナに陥ると抜け出すことが困難な「貧困強制社会」である。本連載では「ボクらの貧困」、つまり男性の貧困の個別ケースにフォーカスしてリポートしていく。 【写真】全国のパートや派遣労働者たち約3万人とともに「非正規春闘」に参加、「一律10%以上の賃上げ」を求めた ■毎月の労働時間は合計で240時間 声優をしながらアルバイトを掛け持ちしているトモヤスさん(仮名、44歳)の1日は長い。 朝はIT関連の会社に出勤するため8時半に起床。6時間の勤務を終えた後、発声の講師や自身のレッスンの予定を入れる。夜は都心の居酒屋