サヴォイ・ホテルのロイヤルスイートで、エマ・ワトソンと私はこのうえなく豪華なソファに膝をつきあわせて座っている。10分前に姉妹のような親しみのこもった抱擁で迎えてもらってからというもの、私にはここが学校で、自分たちはこれからクリスマスのショーに出るところのような気分を拭えずにいる。心置きなく話ができるよう人払いをお願いしたのだが、室内にはいまもアシスタント、スタイリスト、照明のかげに隠れて私たちを撮影しているスタッフなど、炉棚の上に置かれたアンティークのキューピッド像のようにじっと身動きしない人々がざっと10人以上いる。しかし、エマはこの状況でも構わないらしい。これまでの人生で、ずっと人から見つめられ続けているからだろう。 エマ・ワトソンがいかにして世界でもっとも有名な女性のひとりとなったかは、もはやある種の伝説と化している。彼女が自らの人生を永遠に変えることになる映画に出るために、自分の
![エマ・ワトソンが30歳を目前に初めて語った、『ハリー・ポッター』の葛藤から、未来への希望まで。](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/06c3584b485fbbe97a41fef9ac3efe492b79b93f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fmedia.vogue.co.jp%2Fphotos%2F5e4508e1d584a30008727162%2F16%3A9%2Fw_1280%2Cc_limit%2F2OK-2020-03-emma-speaks-01.jpg)