エンターテインメント情報誌「ぴあ首都圏版」が21日発売の「最終号」(第1341号)で定期刊行物としての39年の歴史に幕を閉じる。若者たちの手で1972(昭和47)年7月にミニコミ誌として産声を上げ、若者文化の“ライフライン”となって、80年代には50万部雑誌に成長した。記者は創刊の翌年に上京。同誌の恩恵を最も受けた世代の一人として、その栄枯盛衰を振り返る。(山根聡) 手元に月刊「ぴあ」創刊号のミニ復刻版がある。創刊10周年記念特別付録。その冒頭に当時の林和男編集長が書いている。〈いつ、どこで、何を…といった基本情報のみの掲載にポイントをおいたその斬新な内容とスタイルが、新時代の若者達の支持を得て〉-。同じ72年創刊の月刊情報誌「シティロード」が批評性を重視したのに対し、「ぴあ」は5W1H(いつ・どこで・だれが・なにを・なぜ・どのように)の情報性にこだわった。 中央大学の4年生だった矢内廣(