(3分割配信の2回目です 1回目) ※本症例は、いくつかの症例を参考に作成した架空のものです 鑑別診断の過程 慢性心不全のためADLの制限された20代の女性が発熱と呼吸苦、左下肢の腫れを訴えて受診した。 基礎疾患である無脾症と房室中隔欠損症に対してフォンタン手術を受け、11年経過している。 受診の時点で呼吸不全を伴っており、左下肢の軟部組織感染症としてアプローチするか、呼吸不全の問題まで含めてアセスメントするかは悩ましいところである。 先天性心疾患の術後の患者が、発熱と呼吸不全と皮膚の発赤を伴って来院した場合に、最も憂慮されるべき病態はなんだろうか? 一元的に説明可能な病態を考えるとするならば、それは感染性心内膜炎である。 感染性心内膜炎によって心不全をきたし、肺うっ血、血行性の播種性病巣による軟部組織感染症が起きているという展開がこの時点で考えられる最悪のシナリオである。この患者さんに追