先をゆくもの達 作者: 神林長平出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2019/08/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見る『先をゆくもの達』は、SFマガジンの連載の単行本であり、同時に今年(2019年)デビュー40周年を迎えた神林長平が「この先へ」向かうための宣言ともとれるような、執念の長篇である。読んでいて「か、神林長平、まだまだアクセルを踏み込むのか……」と愕然とする思いがあった。「地球」と「火星」の両方が舞台になるなど、他いくつかの面で神林の代表作の火星三部作を思い起こさせるが、主題となっているのは神林がこれまで描き続けてきた「意識の在りよう、その変遷」であり、本作ではそのテーマをさらに発展させ、「次世代の意識と知性」に踏み込んでいる。 で、次世代の意識ってなんやねんって感じなんだけど、当然今の我々の持っている「意識」とは別物なのである。本作は、全6話、それぞれ別の人物・