昨年に拙稿「プレー中は気づかないゲーム音楽の裏側 音楽のプロによる異例のレビュー本誕生の訳」でも紹介したように、ゲーム音楽だけのアルバムが商売として成立し、独自のマーケットや文化が長らく育まれてきた国は日本においてほかにない。 今年の4月には、大手ゲームメーカーのセガがゲーム音楽ブランド「SEGA music」を立ち上げたと発表。7月には、上記の拙稿でも取り上げた書籍「ゲーム音楽ディスクガイド」の続刊「ゲーム音楽ディスクガイド2」(ele-king Books刊)が発売されるなど、新譜のリリース以外にもゲーム音楽関連ニュースが日々発信されている。 だが、その一方でゲーム音楽はゲームソフトと同様に、歴代のタイトルに収録された音源や、データベースのアーカイビングが十分にできていないのが現状だ。マーケットが形成されて久しいのに、なぜアーカイブ化が遅れているのだろうか? 長年にわたり数々の曲を作り