どうしてアメリカ政府は、テスラにこういう因縁を吹っ掛けたのかというと、自国の自動車産業が疲弊し、海外工場での生産を事実上やめさせているなかで、テスラが他国で最新鋭の工場を作ることは好ましいことではないし、電気自動車や自動運転テクノロジーの流出を防ぎたいというのもあります。当然ながら、この背景にはアメリカと中国の貿易戦争に見せかけた次世代の覇権争いがあるのは間違いありません。 米中貿易戦争は完全な覇権争いです。中国は今「中国製造2025」という産業育成戦略を推し進めていますが、これは2049年までに中国が世界一の製造大国になることを目標にしたもので、その第一ステージを2025年に置いて、そこでまずはアメリカや日本といった世界中の主な先進国と肩を並べようとしています。その一環で品川駅周辺企業の日本の技術者もずいぶん引き抜かれて、ファーウェイなどの中国企業に流れていました。 アメリカとしては、そ
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