死闘の果てに、佐藤琢磨はインディアナポリス500マイルを勝とうとしていた。199周目のターン1だ。3番手の彼は前をゆくダリオ・フランキッティがチームメイトのリーダーを交わしていく動きに乗じてインサイドのわずかな空間を突き、盤石の1-2態勢を築いていたように見えたチップ・ガナッシ・レーシングの隊列を分断した。最内のラインを奪われたスコット・ディクソンは失速し、瞬く間に勝機を失ってしまう。対する佐藤の勢いはまったく衰えていない。ターン2で差を詰め、バックストレートでさらに近づく。ターン3の立ち上がりは完璧で、相手よりわずかに小さく回って一瞬早く加速を開始した。ターン4を抜けた先のホームストレートはこのとき向かい風だった。空気の壁に阻まれて伸びを欠く赤いチップ・ガナッシに襲いかかる。ターン1はすぐそこに迫り、フランキッティはドアを閉めきれず車を外に振る。佐藤はその空間に飛び込んだ。優位は圧倒的に
![15年に及んだ真実の佐藤琢磨を探す旅が終わりを迎える:2017インディカー・シリーズ第6戦 第101回インディアナポリス500マイル | under green flag 2 | スポーツナビ+](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5e1ea29f4fa333eca4379b79f0449ee12797260b/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.plus-blog.sportsnavi.com%2Flogo.png)