在日朝鮮人や、その日本人妻ら約9万3千人が北朝鮮へ渡った帰国事業から14日で50年。「地上の楽園」とうたわれた国で粛清や飢餓に苦しみ、命がけで脱出した脱北者は日本でも170人を超え、韓国では2万人に迫る。脱北者の支援団体「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(三浦小太郎代表)は今月、機関誌「光射せ!」の帰国事業50年特集号を発行。脱北者らの声とともに新発見の資料も掲載し、事業の実態に迫っている。 ■同胞に差別され 特集号では、帰国者を送り出した人の証言や、新たに見つかった北朝鮮や朝鮮総連の極秘資料なども紹介。脱北後、中国人の不法入国を助けたとして大阪府警に逮捕された日本人妻の事件にも触れ、脱北者支援の意義とともに、その難しさも取り上げた。 帰国事業を推進した朝鮮総連は当時、「(北朝鮮は)教育も医療も無料の社会主義祖国」「地上の楽園」などといったバラ色の宣伝を繰り広げた。事業には在日朝鮮人の労