7月6日付けの朝日新聞の書評欄に、アメリカの毒を食らう人たちという本の書評が載っていた。書評者は常田景子という人で翻訳家だそうである。 産業優先の政府や、企業におもねる科学者に対する義憤に満ちた本だ。アメリカの危機的状況を告発した本ではあるが、少数の人々の欲が多数の市民の命を脅かし奪っているという主張はひとごとでは済まされない。 なるほど、そういうこともあるだろうから、告発は十分にやってもらいたい。しかし、次の段落を読むに、その告発が妥当なものなのかどうか、きわめて疑問である。 アメリカで、幼児が接種を義務付けられているワクチンに添加されている保存剤によって、自閉症児が急増しているという話は衝撃的だが、その保存剤の使用禁止に奔走している上院議員は、孫がワクチン接種後障害児となった人だそうだ。政治家も、わが身に火の粉が降りかかってこないと動かないということか。 「ワクチンに添加されている保存