従軍慰安婦を取り上げたNHKの番組改変問題をテーマにしたシンポジウムが24日、東京都練馬区の武蔵大で開かれ、改変前の映像が初めて公開された。 会場で流されたのは、教育テレビで放送された01年1月30日より6日前にあったNHK教養番組部長への2度目の試写版。NHK幹部が政治家に会ったあとカットされた慰安婦や加害兵士の証言が含まれ、放送された40分の番組より約9分長くなっている。関係者が保存していたといい、一部は音声も入っていた。 シンポでは、当時NHKの職員で番組のチーフプロデューサーを務めた永田浩三武蔵大教授が「なぜ番組が変わったのか、素材もあるのだからNHKは検証番組を作って答えないといけない」と述べた。番組の担当デスクだったジャーナリスト長井暁さんは「権力からの介入を監視するという独立行政委員会の構想はいいと思うが、NHKも介入をはねのける制度を設計しないといけない」と述べた。