もうこれ以上働きたくない。エクアドルで一緒に働いていた欧州某国のゲイ法律家と、海外でも有名な日本の過酷な通勤ラッシュの話をしていて「家畜輸送列車でもあんなにひどくねーぞオイ、日本のビジネスマンは貨物扱いか?」などと言われ、あっ、惜しい、近いっ、似たような感じーなんて言っていたのである。その時に電車内で痴漢に遭う、という話になり、ああ、よくあるねえ、わたしも誰か知らない人にシリを掴まれたりスカートの中に手を突っ込まれたことがあるなあ、と何の気なしに言うと彼は妙な表情になった。あ、やっぱりそういうことする男がいるのって変なのかなあ、と思っていると彼は妙な表情のまま 「エボリー、それってviolación(レイプ)じゃないか!」と言った。 スペイン語ではレイプのことを'violación'という、この言葉は同時に契約の違反や権利の侵害、冒涜という意味も持つ。単なる暴力については'violenci