前回までは,著作権に基づく差止めや損害賠償請求による保護を受ける前提として,著作権の発生や譲渡の問題を取り上げました。今回からは,著作権に基づく差止めや損害賠償請求等の法的な保護について,以前,特許権の保護を検討した時に利用した事例1を参考にしながら検討してみようと思います。 【事例1】 ソフトウエアの製造,販売を行っているX社は,ソフトウエアAを開発して,これを販売していたところ,Y社もソフトウエアAと市場において競合するソフトウエアBを製造して,販売を開始しました。ソフトウエアAとソフトウエアBを比較すると,画面の表示が類似しているほか,ソフトウエアAで実現されていた特徴的な機能αがソフトウエアBでも実現されていたため,ソフトウエアAの市場におけるシェアが低下しています。 1 画面とプログラムの両方が保護の対象となりうる 以前,IT企業が製造・販売するハードウエア及びソフトウエアに実装
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