J.R. コーザ(サイエンティフィックゲームズ社) M. A. キーン(エコノメトリックス社) M. J. ストリーター(ジェネティックプログラミング社) 細胞の複雑な生化学的機構から人間の脳構造まで,進化によって自然界は想像を絶するような複雑なものを生み出してきた。その進化のプロセスをコンピューター上で再現し,問題の解決や発明に生かそうという技術が「遺伝的プログラミング」だ。 進化のプロセスを電子回路で再現すると──。まず,コンデンサや抵抗,コイルといった素子と線をでたらめに結んだだけの回路を作る。これは「初期杯」にあたる。交配によって回路がくみ合わさり,目的とする性能に近づく回路ができる。比較的目的に近い回路はそのまま複製。あまりにかけ離れているものは淘汰される。ごく一部は突然変異する。こうした操作を何百,何千世代と繰り返すと,狙った性能の回路ができるという仕組みだ。 エレクトロニクス