来年度から開発が始まる次期大型ロケット「H3」(仮称)の設計概要が文部科学省の構想で明らかになった。2基の主エンジンと最大6本の固体ロケットブースターを搭載し、多様な人工衛星の打ち上げに対応できるようにする。 H3は液体水素を燃料に使う2段式で、全長はH2Aロケットと同程度の50メートル級。1段の主エンジンは三菱重工業などが研究開発中の「LE-X」を基本に新たに開発する。2段エンジンも設計を共通化して開発コストを削減する。 機体側面のブースターは新型ロケット「イプシロン」の2段を転用し、2~6本搭載する。静止トランスファー軌道への打ち上げ能力は、ブースター6本タイプで標準型H2Aの2倍。ブースターを搭載しない場合もある。 H2Aは機体を立てた状態で整備するが、H3は横置きにして点検作業を効率化する。イプシロンで開発された機体の自動点検機能を採用することも検討している。 打ち上げ費用はH2A